雪化粧
ひとり寝のドアを開けると
明るさにスイッチの手が止まる
物思いを紛らわす期待感が
カーテンの向こうに滑り込んだ
広がるイルミネーションは
小枝の先まで包んだ雪と月灯り
すぐに思い浮かび口遊んで
奏でる姿さえ見えそうな長い夜
明るさにスイッチの手が止まる
物思いを紛らわす期待感が
カーテンの向こうに滑り込んだ
広がるイルミネーションは
小枝の先まで包んだ雪と月灯り
すぐに思い浮かび口遊んで
奏でる姿さえ見えそうな長い夜
賢者の贈り物
一日に何度も時計を見たくなるわよ
美しい長い髪を手放して
美しい鎖を手にした妻が
大切な夫に笑顔を向けた
僕は朝からこれで何度目になるかな
ベッドサイドの置き時計
上着の袖に隠れた腕時計
パソコンのデジタル時計
生配信の手段で音色が贈られる今日
美しい長い髪を手放して
美しい鎖を手にした妻が
大切な夫に笑顔を向けた
僕は朝からこれで何度目になるかな
ベッドサイドの置き時計
上着の袖に隠れた腕時計
パソコンのデジタル時計
生配信の手段で音色が贈られる今日
柚子と君
たわわに実るカナリヤ色は
多くの視線を惹きつける
手に取るのは少しためらう
長くて鋭い棘だらけの木
ふっくらとしてジューシー
栄養豊富で爽やかな香り
そのままだと少し苦いなら
マーマレードやピールに
枝が揺れると傷付きやすい
風に吹かれても探してる
恐れず優しく触れる誰かを
甘さを引き出せる誰かを
多くの視線を惹きつける
手に取るのは少しためらう
長くて鋭い棘だらけの木
ふっくらとしてジューシー
栄養豊富で爽やかな香り
そのままだと少し苦いなら
マーマレードやピールに
枝が揺れると傷付きやすい
風に吹かれても探してる
恐れず優しく触れる誰かを
甘さを引き出せる誰かを
2020年の冬至
いちばん長い夜といちばん短い昼
北半球で暖炉用の薪を運んでる僕
南半球でサーフィンをするサンタ
今頃君はどこで空を眺めてるかな
木星と土星は615年ぶりにダンス
招待状が届いて舞踏会の最中かも
それは風物詩とか年中行事だよと
特別な興味はなさそうな気もする
だから僕は勝手に君の明日も願う
北半球で暖炉用の薪を運んでる僕
南半球でサーフィンをするサンタ
今頃君はどこで空を眺めてるかな
木星と土星は615年ぶりにダンス
招待状が届いて舞踏会の最中かも
それは風物詩とか年中行事だよと
特別な興味はなさそうな気もする
だから僕は勝手に君の明日も願う
ひとり時間
心地良く切れた緊張の糸と
ホールを出た後の物悲しさ
街の灯がにじんでいく家路
早くベッドで眠りたいけど
まだ辺りを散歩したいけど
電車とバスで一時間三十分
寄り道のコンビニスイーツ
窓越しに名残を探しながら
染み込む甘さに彼等を想う
ホールを出た後の物悲しさ
街の灯がにじんでいく家路
早くベッドで眠りたいけど
まだ辺りを散歩したいけど
電車とバスで一時間三十分
寄り道のコンビニスイーツ
窓越しに名残を探しながら
染み込む甘さに彼等を想う
精密検査
君が眺めている空と
僕が眺めている空は
どこか違うらしくて
時々もどかしくなる
例えば青にも色々あるし
それぞれは同じ景色だと
証明しないといけないの
寸分の違いは見逃してよ
本棚の分厚い色見本
机に書きかけの論文
双方を照合するより
隣で仰ぎみたかった
僕が眺めている空は
どこか違うらしくて
時々もどかしくなる
例えば青にも色々あるし
それぞれは同じ景色だと
証明しないといけないの
寸分の違いは見逃してよ
本棚の分厚い色見本
机に書きかけの論文
双方を照合するより
隣で仰ぎみたかった
WISH
過大評価して痛恨のミス
弦が弾けず錆びてしまう
だから洗浄と睡眠と栄養
情熱から生を受けた細胞
奴が利用なんてまっぴら
生音の弾みを衰退させる
そんな世界にならないで
弦が弾けず錆びてしまう
だから洗浄と睡眠と栄養
情熱から生を受けた細胞
奴が利用なんてまっぴら
生音の弾みを衰退させる
そんな世界にならないで
通い路
重低音が下腹に突き刺さる
教えてくれたけど経験済みで
想像は容易いなと楽観していた
音圧が肺と肋骨を砕いて潰すように
光の交差が飲んだ息を見抜くように
全てが身体に突き刺さり頬を撫でた
まるで逢ひ見てののちの心
期待と方位磁石を握りながら
夢が醒めたからまた夢を見るよ
教えてくれたけど経験済みで
想像は容易いなと楽観していた
音圧が肺と肋骨を砕いて潰すように
光の交差が飲んだ息を見抜くように
全てが身体に突き刺さり頬を撫でた
まるで逢ひ見てののちの心
期待と方位磁石を握りながら
夢が醒めたからまた夢を見るよ
Phantom~1114
素敵な宝箱の製造中止がまだ続いてるけど
中途半端な代用品に彼らは手を出さない
出来の良い複製品とかましてや模造品とか
そういう努力を選んで励んで披露したりしない
だけどひとつだけ不安が囁きかける
安心して待てるなんて結局僕は嘘つきかな
それとも都合良く思い込んでいたいだけ
広大な地下水路ではなくいつもの場所にて
佇むのは麗しのPhantom of the stage
立ち去る前に無言の拍手喝采を受け取って
シャンデリアより豪華な勇姿を見届けたいから
中途半端な代用品に彼らは手を出さない
出来の良い複製品とかましてや模造品とか
そういう努力を選んで励んで披露したりしない
だけどひとつだけ不安が囁きかける
安心して待てるなんて結局僕は嘘つきかな
それとも都合良く思い込んでいたいだけ
広大な地下水路ではなくいつもの場所にて
佇むのは麗しのPhantom of the stage
立ち去る前に無言の拍手喝采を受け取って
シャンデリアより豪華な勇姿を見届けたいから