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大ホール~1127

海を越えていく旅客鉄道
反射する海面の色と
切符の終着駅の文字を
交互に眺めながら

晩秋の風が冷たくて
ヒールの足先が痛んで
でも背と膝の裏は伸ばして
鼓動のように響く靴音

黒いマントを脱いで
白衣をまとったPhantom
あなたの旋律を接種して
副反応を抱きしめた
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時雨虹(Phantom〜1114 part2)

海から届いた雲が大粒の音を立てる
作りかけのメレンゲもそのままに
コートも羽織らずに晩秋の庭へ急いだ

Phantomの歌に迷い込むような気分

二重に広がる透明で鮮やかなふもと
今すぐ届ける術がないもどかしさ
それともあなたが見せている魔法なの
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PRECIOUS

お手軽にできない模様替え
彼の部屋と宴用の部屋を
比較する無粋にはなれない

両手で溢れる現実をすくい
差し出しながら彼が笑う
地上の奥深い水の清らかさ

だから傷付いた顔はやめて
オペラグラスは片付けて
君は確かに想われてるから
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歩道橋

傾いた陽が星の瞬きを呼ぶ
夜になる前だけ見られる夢
朝に続けるにはどうしよう

種明かしには辿り着けない
滲んでこぼれ落ちるくらい
あのひとの在り方と似てる
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嵐のあと

手間をかけて乗り継ぐなら
辿り着く現実に目を背けて

あがいて投げ捨てて逃げた
なのに落葉の音がする日は

古びた景色が現れてしまう
自分で選んだ手遅れなのに
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